今は無き前田工業・サンツアーの80年代末の最高級コンポ「シュパーブプロ」のリアディレイラー。使用品なので少しの傷はありますが、錆もなく、ピンクのプレート文字もキレイで、美品だと思います（主観ですが）。機能面も快調で、まったく問題ありません。
当時、シュパーブプロは競輪選手の間で人気で、特に世界戦10連覇を達成した中野浩一選手は、ピストだけでなく練習用ロードにもシュパーブプロのセットを使用していて、ナカノレッドと呼ばれた赤い車体に隙なく組付けられたパーツは、多くの自転車ファンの憧れの的だったのではと思います。
また、この頃はリアディレイラーが格段に進歩した時代で、以前の「ガチャン」と大きな反動のある手応えから、現代のような「チッ、チッ」といかにも精密機械風の手応えに変わり、操作感・高級感ともに一段と向上したことが記憶に残っています。本品も、現代の製品と比べて遜色のない変速性能ですので、キャパシティは多少異なりますが、新しい自転車ファンの方がご使用になっても違和感のない製品ではと思います。
さらに性能面だけでなく、パーツの裏側までピカピカに研磨された仕上げ（今では考えられないことですが）等、随所に自転車パーツに美しさが求められた時代の最後の輝きが見て取れる製品です。性能はもとより、そのオーソドックスで美しいデザインから、当時私の周りではロード、スポルティーフ、ランドナー、パスハンターと、車種を選ばず使用されていました。
私は近年、気兼ねなく使用できるオールドパーツとして、当時のカンパやサンプレのリアディレイラーを順次、このシュパーブプロに変更してきたのですが、操作性がとても向上し、整備も楽になり、巡行距離もだいぶ増えました。昔の自転車にお乗りの方で、見た目80年代のくくりを変えたくない方には、ぜひ、本リアディレイラーをご使用になってみることをお勧めします。
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